人を感動させるところには、人が集まります。
みなさん、いかがお過ごしですか?
この休みに久しぶりにディズニーランドへ行きました。
入場制限が出るほどの混みようでした。
なぜ、ここまで人が集まるのでしょう?
東京ディズニーランドのリピート率は97.5%だそうです。
来場者のほとんどをリピーターが占めていることになります。
ウォルト・ディズニーがディズニーランドに求めたもの、それはお客さんが映画の世界に入り込み一緒に感動を作り上げていくことだったそうです。
ですから、東京ディズニーランドでは従業員をキャストと呼び、お客さんのことをゲストと呼ぶのだそうです。
そのキャストにはそれぞれマニュアルがあるそうですが、マニュアルを超えたところに感動があるようです。
ディズニーランドでの有名ないい話があります。
みなさん知ってはいると思いますが、改めて書かせて頂きます。
東京ディズニーランドにある若い夫婦が訪れました。そしてランド内のレストランに入りました。
アルバイト(キャスト)はその夫婦を二人がけのテーブルに案内し、メニューを渡しました。
するとその夫婦はメニューを見ずに、「お子様ランチを2つください」とオーダーしたのです。
キャストは驚きました。
ディズニーランドの規則では、お子様ランチを提供できるのは9歳未満と決まっています。 当然のごとく、「恐れ入りますが、このメニューにも書いておりますが、お子様ランチはお子様用ですし、大人には少し物足りないかと思われますので・・・」というのが、マニュアルです。
しかし、キャストの青年はマニュアルから一歩踏み出して尋ねました。
「失礼ですが、お子様ランチはどなたが食べられるのですか?」と。
「死んだ子供のために注文したくて」と奥さんが応えました。
「亡くなられた子供さんに!」とキャストは絶句しました。
「実は・・・」と、奥さんのほうが話し始めました。
「私たち夫婦には子供がなかなか授かりませんでした。求め続けて求め続けてやっと待望の娘が産まれましたが、体が弱く一歳の誕生日を待たずに神様のもとに召されたのです。私たち夫婦も泣いて過ごしました。しばらくは何もする気力もなかったのですが、最近やっと落ち着いて、子供の一周忌にいつかは子供を連れて来ようと話していたディズニーランドに来たのです。そしたら、ゲートのところで渡されたマップに、ここにお子様ランチがあると書いてあったので思い出に・・・」そう言って夫婦は目を伏せました。
キャストは話を聞き終えた後、「かしこまりました」と応え、その夫婦を二人がけのテーブルから四人がけの家族用のテーブルに案内し、「お子様はこちらに」と、まるで亡くなった子供が生きているかのように、夫婦の間に子供用のイスを用意しました。
しばらくして運ばれてきたのは三人分のお子様ランチでした。
キャストは笑顔で、「ご家族で、ごゆっくりお過ごし下さい」と挨拶して、その場を立ち去りました。
このキャストの行為は明らかにマニュアル破りの規則違反です。しかし、東京ディズニーランドでは先輩も同僚も彼の行動を咎めません。なぜなら、このキャストはディズニーランドが最も重要視しているルールに従って行動したからです。
この夫婦から後日届いた手紙にはこう書かれていました。
「お子様ランチを食べながら、涙が止まりませんでした。まるで娘が生きているように家族の団らんを味わいました。こんな娘との団らんをディズニーランドでさせていただくとは、夢にも思いませんでした。これから、二人で涙を拭いて生きていきます。また来年も再来年も、娘を連れてディズニーランドに行きます。そしてきっと、この子の妹か弟を連れて行きます」とあったそうです。
マニュアルは基本でしかありません。マニュアルを超えたところに感動が潜んでいるのですね。キャスト自身も、人に喜んでもらえることで自分の存在価値を感じているように思います。
人を感動させるところには、人が集まります。
飲食店でもそうです。
満足させて当たり前。それだけではリピータになってくれません。
感動させてこそ、また来てくれるのです。
当社の事業を通して、感動を与えられるように今年は努力したいと思います。